本もケアの対象

同居している母親が脚の痛みで歩行が不自由になり、ここ3か月ほど介護のようなことをしている。新しい治療が功を奏し、順調に回復してきていることもあるけれど、我ながらこういう他人の身の回りの補助が嫌いじゃないと気付く。車椅子を押しながらも、「別にこれが自分の親でなくても変わらないな」と思う。

いい機会なので介護について少し基本的な知識を得たいと調べたところ、世の中には「介護職員初任者研修」という資格があり、この講座を受けると効率よく学べるらしい。早速資料を取り寄せ、現在検討中。講座を開く学校と人材派遣会社が一体化しているところまでは分かった。

介護の業界はいろいろな面でまだ整備されていない感じで、話題になった六車由実さんの著書『驚きの介護民俗学』『介護民俗学へようこそ!』では大規模施設での「流れ作業」が批判の対象になっていたりする。でも介護の考え方というか、「ケアの思想」みたいなものを自分のなかに取り込むのは必要だと思う。相手をよく見て、気を遣い、さりげなく支える。

その態度や考え方は、手製本にも通じているのではないか。本の内容を踏まえて、それにふさわしい装丁を考える。ページの開きのよさを考慮した綴じなおし。中身を確実に保護する表紙貼り。などなど。