ふくろう(北海道岩見沢市)

怪物がめざめる夜(純文学書下ろし特別作品) / 小林信彦著(新潮社 , 1993.9)

NHK おしゃれ工房 ; 11月号 No.440 / 日本放送協会, 日本放送出版協会編(日本放送出版協会 , 2001.11)

 

急に小林信彦著『怪物がめざめる夜』を読みたくなり、古書組合に加盟する書店が参加する通販サイト「日本の古本屋」で検索し、北海道岩見沢市の古書店「ふくろう」で購入。どんな書店でも1冊だけしか買わないのは嫌なので、もう1冊、「製本を楽しむ」というタイトルが検索に引っ掛かった「NHK おしゃれ工房」のテキストを購入。これが良かった。


「“和”で暮らしを彩る」がテーマで、和布を表紙に使った作品が並んでいます。製本の工程が豊富な写真を使って解説されており分かりやすい。失礼ながら講師を務められている「折金紀男」さんという方のお名前を存じ上げてはおりませんでした。テキストの終盤に「講師の教室とホームページ紹介」の欄があり、そこから辿ってみました。

 

手製本工房O塾

https://hontokami.exblog.jp/

「[雨やどり]は、手製本工房Origane/折金紀男の製本と趣味のホームページです。」

http://www.tcp-ip.or.jp/~ori/amayadori_about.html

 

ホームページによると、静岡県浜松市を拠点に制作されているとのこと。プロフィール欄には「おしゃれ工房」のことが記載されていました。折金さんにとっても里程標となる出来事だったのでしょう。

 

ちょっと大きな話になってしまうのですが、昭和以降今日までの日本における手製本・工芸製本の歴史について、私が少しずつ買い足している製本関連の出版物を元に時系列で辿ると、図書館製本の啓蒙時代、「巨人たち」の発信によって広く伝播された時代、手近な自己表現の手段として消費された時代、といった変遷が見えてきます。しかしそれらは、概ね「東京」という土地に縛られた話のように思えるのです。

 

「おしゃれ工房」のテキストによると、折金さんは「県立高校の教師として社会科教育に従事する一方、自作の製本展を開催。」とあります。

私自身、製本資材の通信販売をしていて日本各地からのご注文を頂くなかで、実に多くの方たちが、お一人であるいはグループで独自の製本文化を築いている気配を感じており、その幅広い豊かさをどうにか表すことは出来ないものかと、日々考えているのです。